能登半島被災者支援の活動報告

認定NPO法人 茨城NPOセンター・コモンズ
代表理事 横田 能洋  

3月1日(金)午後から4日(月)までの4日間、石川県庁内の認定NPO法人 全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)現地事務所にて活動に参加しました。JVOADは、全国の災害中間支援組織にスタッフ派遣を呼びかけており、この期間は福岡や宮崎の団体の方と活動しました。

◆ 主な活動内容

活動内容
3月1日(金)・ 穴水町の生活支援拠点訪問(認定NPO法人 レスキューストックヤードの方からお話を伺う)
・ 能登町の調整会議に参加(一般社団法人 OPEN JAPANなどから炊き出しや弁当配布の調整する取り組みを伺う)
※ 在宅避難者への食料提供が課題になっている。
3月2日(土)・ 石川県と富山県の中間支援団体職員と情報交換
・ 被災地に近いエリアの団体が、被災地で活動できる機会づくりが課題
・ 被災者が旅館などに避難しているケースもあり、避難者向け支援でも連携できそうなことがわかる。
3月3日(日)・ 七尾市の民間支援拠点2箇所を訪問
・ 自主避難所が閉鎖され、水も出ない自宅に帰った被災者に対して水しか配られていない。
・災害ゴミのルールが細かく決められ、搬出がスムーズに行いにくい。
3月4日(月)・ 3日間で気づいた課題を踏まえた共有会議の企画案づくり

全体的感想

 今回の災害は、長期間道路が寸断されたり、水が出ない状況が長く続きました。一部では、いまだに災害ゴミの仮置き場がない、一般ボランティアが現地になかなか入れないなど、片付けを進めにくいことがいくつも重なっています。発災から2ヶ月経過しても、緊急期の課題が残っています。

 自治体や社会福祉協議会(以下、社協)の支援体制も独特で、まず災害ボランティアに関して、県社協ではなく県がボランティアセンターを運営しています。(ナホトカ号の災害支援の後、基金ができたことが影響)

 災害対応も、県の危機管理が集中して行っています。(最近、各部局が関わるチームができました)

 県と市町の関係性も独特で、県と被災自治体との意思疎通にかなりの労力が割かれています。

 被災地も、外部からの支援に依存せず、自力で取り組む風土があり、被災地社協が多くのボランティアを受け入れるだけの体制をつくりにくい状況です。その結果、手付かずのニーズが多数あるのに、人が全く足りないという状況が続いています。

 このような状況ですが、発災から2ヶ月が経過し、多数あった自主避難所への食料支援が止まったり、避難所の統廃合が進んでいます。被災者の中には、水も出ず、修復もしていない自宅で不便な生活をしている人もいます。

 今、被災地では、在宅避難者への弁当配布をどうするかが検討されています。穴水町、能登市では、災害救助法の財源で、地元の飲食業者などが弁当をつくり、被災者に届けています。こうした活動は、地元の事業者にも収入が入るので、他の被災地にも広がるよう期待したいです。

 街から遠く離れた避難所やホテルなどに避難している被災者も多くいますが、そうした被災者に、被災自治体が十分な支援を行えていません。

 被災者支援制度に関しては、被災者生活再建支援法とは別枠の支援金が設けられるなどの動きもありますが、仮設住宅の設置がようやく始まり出している状況です。

 街の再建ができるか、先が見えない地区も少なくありません。故郷に戻りたくても、福祉サービスや生活環境が整備されず、戻れない高齢者の生活、孤独なども問題が起きそうです。

 道路事情が悪く、被災地に行くのに時間がかかること、現地に個人ボランティアが入るには県のボランティア・バスぐらいしかルートがなく、参加できる人数も限られていることから、通常の被災地で行われているようなボランティアによる片付けがあまり動いていません。

 依然として食のニーズが満たされていないために、技術系の支援団体が炊き出しやお風呂支援なども行っています。


今後の見通し

 被災地で長い時間活動できるよう、ボランティアが宿泊できる施設がいくつかでき始めてはいます。被災地に住民がいない(家に住めず、遠くに避難している)、災害ゴミ仮置き場が限定的なために片付け作業がしにくいなどもあり、災害ボランティアセンターがニーズ把握や活動先を手配しづらいことも、ボランティアが入りにくい状況の一因のようです。

 現地社協と連携して、被災地区ごとのボランティア受け入れ拠点がサテライト的に設置でき、コーディネート人材が増えることで、現地に入れるボランティアを増やせる可能性はあります。

 店舗が再開しているところであっても、多くの家財資産を失い、衣料品や食料の支援を求めている被災者は多くいます。民間の物資支援拠点と連携して、物資支援を行うことはできます。(水が使えない家では、今でも災害トイレが必要とのことです)

 被災地では、住宅の応急修理、仮設住宅、公費解体、被災者生活再建支援制度などの受付が始まっていますが、高齢者などが今後の生活再建の見通しを立てつつ申請するのは容易ではありません。サロンや相談会の機会を増やし、今後のことを考えることによりそう活動も重要と思われます。

 水害と異なり、車が多く被災したわけではありませんが、自宅から離れた場に避難している人は、家に戻るにも、市役所や病院などに出向くにも、移動に困っていると思われます。被災地は元々高齢化率が高く、鉄道も一部しか復旧していません。移動支援の活動も重要になると思います。

 短期間の滞在でもこれらのことに気づくことができたのは、JVOADが日々各被災地の状況や行政の動きについて情報収集を続けており、現地訪問に同行できたからです。

 石川県の災害対策会議の資料など、行政が発する情報では、避難所の数や仮設住宅の整備状況などの数字はわかりますが、被災者の生活課題は見えにくいし、そこで日々被災者の生活、食を支えているNPOの動きは見えてきません。

 JVOADが把握している情報は、被災者の生活課題、自治体や団体が抱えている課題などを知る上でとても重要だと感じました。

 ただ、そうした情報を発信する上で、JVOADの現地事務所の人員が足りていません。全国の災害中間支援組織のスタッフが応援に入っていますが、まだ人数が足りていません。

 被災地支援では、いろいろな人、組織をつなぐ中間支援も重要になるので、今後も応援していきたいと思います。

以上

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