NPOに寄付をする

 利益が見込めないため企業ではできない活動をNPOができるのは、支援性の財源を得られるからだと説明しましたが、その支援性の財源の中で大切なのが、個人や団体からの寄付です。
 寄付とは、対価や見返りを求めずにお金を提供、贈与することですが、みなさんは寄付について、どのようなイメージを持っていますか?「寄付を頼むことは情けないことだ」とか、「自分たちのやりたい活動をするのに、人のお金をあてにするのはおかしい」という考え方もあるかと思います。確かに、自分たちは何も負担せずに全部を外部に依存するのは自立性という点では問題です。けれども、寄付を集めるということは、外部に甘えることでも、同情して恵んでもらうことでもありません。もう少し違う視点から寄付を考えてはどうでしょうか。寄付を受けることは、その問題に関心を持つ人々の「このお金を問題解決に役立ててほしい」という想いや願いを託されることです。
 下の図を見てください。
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 これは、通常の企業と顧客の関係です。企業にとって、顧客はお金を払ってサービスを買ってくれる人です。両者をつなぐキーワードは「メリット」です。ではNPOはどうでしょうか。
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 NPOの場合、サービスの受益者は必ずしもサービスに見合う対価を払ってくれるとは限りません。例えば、捨て猫を保護し治療をしても、飼い主もいないし猫はお金を払ってはくれません。そうなると企業ではサービス提供ができません。なぜNPOは保護活動ができるかというと、支援者という2番目の顧客が存在するからです。これが寄付者です。「捨て猫の命を守ってほしい」、「大量に処分されている状況を変えてほしい」との想いを寄せる人が、自分が直接活動できない代わりに、活動するNPOにお金を託します。キーワードは、「共感」と「参加」です。
 NPOにしてみれば、活動の対象である第一の顧客を大事にすることだけではなく、自分たちの活動に共感して支えてくれる第二の顧客を大事にし、支援が続き、広がるように心掛けることが大切です。「情報開示をしっかりする」ということは、どこかに想いを託したい、寄付をしたいと考えている個人や団体に、「ここならしっかりお金を成果に結び付けてくれそうだ」と選んでもらえるように判断材料を提供すること、つまり共感による支援者を得るための営みなのです。
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