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水害発生から3週間経った、茨城県常総市の状況報告


2015年10月4日


 常総市の横田です。たくさんのご支援、本当にありがとうございます。災害発生から23日が過ぎましたが、目まぐるしい日々が続いています。

 県災害対策本部によると、全壊50棟、大規模半壊1,035棟(常総市88%)、半壊にあたる床上浸水2,801棟(常総市99%)、一部損壊7,132棟(常総市6,001棟)とのこと。ただし、これは戸建てのみ。やっと罹災証明の発行が始まりました。先週から戸建てを対象にした応急修理と、家に住めない人への公営住宅の無償提供受付が始まりました。

 昨日は、私の住む森下町で、恐らく2回目の炊き出し(三重県の伊井野さんが来てくれました)があり、一軒一軒声をかけてまわりましたが、ほとんどが畳や床を剥がした状態で2階生活。恐らく風呂も、台所での料理も困難な状態。車を失い、火災保険も水害のため出ない、数百万の住宅修復に57万円程度の応急修理費ではとても足りません。外国人の方が「買って数ヵ月の家が床上浸水で、400万円の修理代が払えない」と連日駆け込んできます。生活再建支援法で全壊、大規模半壊には100万円、50万円の基礎支援金が出るようですが、半壊でも数百万円の工事費は必要です。家の修復がしやすくなるよう、なんとかしたいです。そうでないと、皆家を捨てて、まちを出て行ってしまいかねません。

 先週から市の会議に同席できるようになり、こうした在宅避難者のことを考えて欲しいと話しています。避難所統合で20近くあったところが、市内は5カ所くらいになり、人数は減りました。それは、まちのはずれの避難所では、通勤通学が困難なためでもあります。家に帰れたとしても、上記のように食事もろくにつくれない生活をしている人が多くいます。実質的な避難生活者はあまり減っていないと思います。

 今回は市役所が水没、電源喪失し、機能不全になったので、対応の遅れを招きましたが、現状の把握、災害救助法でできることの検討がとても不十分です。3週間経っても、市内の避難所はおにぎり。市外の避難所ではお弁当が出ているのに。在宅避難者は、今月4日からそのようなものすら提供してくれなくなるそうです。避難所も、食事だけでなく、劣悪な状況が続いています。避難所をまわるNPOの方の働きかけで少しずつ改善されてはいますが、統合の際に、身体の弱った人が体育館に入れられたり、風邪を引いた人は迷惑をかけたくないと、床下の泥かきが終わらずカビが大量発生している被災住宅に戻っているような状況です。避難所で夜間見守る保健師や看護師も足りません。

 なんとか、本来なら使える制度を行政にもっと使ってもらい、避難所や被災住宅で苦しい生活を送っている人を救済してもらえるよう、働きかけようとしています。今日はそのための会合を持ちます。地元の地域リーダー、商工会議所、行政関係者にも声をかけ、災害対策に詳しい方々に知恵をいただく会です。

 コモンズは、元々この地域に多い外国児童生徒向けの学習支援をしていたビルが水没したのですが、今は1階が高圧洗浄機や荷車などの貸出機材の倉庫、2階がボランティアの受付と情報提供拠点、3階が支援物資倉庫と簡易宿泊という状況で、毎日全国から来ていただいた応援スタッフで運営しています。平日のスタッフが少ないのが課題です。最近は軽トラックの貸出が増えました。ボランティアは、1階の濡れた家財道具を外に出す作業から、床下の泥を取り出す作業、農地での作業、堤防決壊エリアで、家が全壊した地域での重機も使った砂の撤去作業に重点が移っていますが、全然足りていません。とりあえず通りや公園にあったゴミの山はなくなってきましたが、家の片づけをしている人は皆疲れています。住宅地での炊き出し、足湯、マッサージなどを増やしたいところです。こうした街中で避難しつつ、片づけをしている人が地域で支え合える状況をつくる活動にも力を入れようとしています。

 その一つが、街中の集会場所などでのサロン(炊き出し、相談、マッサージ、足湯等を行う)とカーシェアリングです。昨日、石巻のカーシェアリング協会の方が来てくださり、やり方を教わり、私自身が車を預かりました。社用車が2台なくなり、困っていたので、本当にありがたいことです。これからまちごとにカーシェアの拠点を増やしたいのですが、避難所には車を管理できる体制がつくれそうにないので、通学、通院を中心に、無料に近いかたちでの送迎サービスを立ち上げることにしました。これも宮城や大阪の移動支援の方の協力によって可能になった事業です。

 多言語の情報誌発行と、多言語のラジオ放送も続けます。やることがどんどん増えます。毎晩、市内に入ってくださった20を超える全国の市民団体の方と情報交換を行っていますが、NPOのネットワーク力はすごいと改めて思います。様々な情報、知恵、支援が集まってきます。被災した市民が直面している状況は本当に深刻ですが、なんとか外部から来ていただいた方の応援を梃にして、住民が必要とする助け合いサービスをつくったり、行政に提言していけるよう、コモンズは現地でのつなぎ役をしていきたいと思います。引き続きご支援をお願いします。

 以下、今の時点でご協力いただけるとありがたいものを記します。


情 報


  • これまでの災害(特に水害)の際の、行政の柔軟な支援を引き出した事例

  • 半壊でも生活再建支援金が出た事例(支援金も、現金で出ないと家具を買うお金がないです)

  • 在宅避難者が、被災者として物資、食事などの支援を行政から得られた事例

  • 具合が悪くなったときに、避難所や在宅からホテルなどに移れた事例

  • おにぎりしか出ない避難所の食事を、途中から改善した事例

  • 数千万円の機材を損失し、事業再開が困難になった事業者の事業を支援した事例

  • 新築数カ月で床上浸水したが、火災保険も出ず、修復費用も銀行から借りられない人の改装費用を安くするか、公的支援を増やす事例

  • 個人所有の田畑や土地に流れ着いた大きなゴミを、公的費用で撤去した事例

  • 個人宅の壊れた塀を公的支援で運んでもらった事例

  • 公園や自治会の資産である集会所の修復費用をねん出した事例

  • ペットがいる方が無償提供の公営住宅に入れるようにした事例

  • 市民運営の移動サービスに対して、ガソリン代等が行政から支払われた事例

  • フローリングの床を剥がさずに、床下の泥水を取り、カビ防止、白アリ対策に必要な処理をする方法をまとめた資料

  • 修復工事にかかる費用の妥当性がわからない時にどうすれば良いか、に関する情報源や床上浸水住宅の修復の具体事例集


物 資
 毛布、シャンプーや石鹸など風呂用品、調味料、台所洗剤、カセットコンロ、鍋、キャンプのテントで使うようなライト、様々なサイズの運動靴、エコバック、食品、缶詰、お菓子、カップ麺、日持ちがしてカセットコンロで調理できる食材、ビタミンや栄養補給ができるジェル状の食べ物、野菜ジュース、炊き出し用の食材

※ コンビニやスーパーは再開し始めましたが、飲食店はどこも休業中ですし、買い物に行く時間も移動手段もお金も不十分なので、みなビタミン不足です。温かいもの、甘いものが食べたいです。昨日も昼間暑い日でしたが、お汁粉や豚汁が喜ばれました。3週間経ってもおにぎり、こんな生活状況なのです。

※ 物資や食材についてご協力いただける場合は、数や保管場所の調整が必要になりますので、ご一報ください。

ボランティアや協力者
 家の修復、カビ防止やシロアリ対策について相談できたり、作業方法を教えてくれる人、床下に潜る作業ができる人、火災保険や自動車保険など損害保険に詳しい方、家の修復費用の見立てができる人、サロン運営を手伝ってくれる方、個人宅の掃除や片づけを手伝ってくれるボランティア、移動サービスの運転ボランティアや運営スタッフ、翻訳や通訳のスタッフ(ポルトガル語、英語、スペイン後、タガログ語、ウルドゥ語、中国語など)、広報や寄付募集を手伝っていただける方

義援金
 あまり集まっていないようですので、お願いしたいです。

寄 付
 上記のような活動を1年以上続けて行うことになりそうですので、いばらき未来基金への寄付もお願いします。今後は移動支援、学習支援、情報支援など、使途を選べるようにもしていきたいと思います。

その他
 避難指示が解除され、まちのゴミが目立たなくなり、一見落ち着いてきたように思われ、メディアでも取り上げられなくなりましたが、被災者の生活は楽になっていません。むしろ疲れが溜まり、この先の心配で心身の悩みが深刻になっています。昨日会ったそろばん塾の先生は、個人事業主は辛い、片づけで腰が曲がらなくなり、掃除もできない、と漏らしていました。

 この3週間、最初は水との戦い、次がゴミとの戦いでした。いまは孤独や喪失感との戦いです。皆被災地以外に行ったり、職場に出たとき、あまりの感覚の違いに、ものすごく取り残されている、忘れられていると感じています。忘れていない、一緒に今後のことを考えている、ということが伝わると、皆明日に向かう勇気が出てくると思います。災害から1月を過ぎたら、何か皆が元気になれることもやっていきたいと思っています。


 行政や制度は重要だし、なんとかしてほしいですが、やはり市民社会をつくらないと生活や幸せを守れません。今20年前に阪神淡路大震災で生まれた様々な活動が、規模は小さいかもしれませんが、この常総市で生まれつつあるし、今なら市民が協力した活動、災害弱者を生まない行政や助け合いの仕組みをつくれる。今なら国籍の壁を越えたつながりがつくれる、そう信じて活動していこうと思います。

 今後もご支援をお願いします。ありがとうございます。


横田 能洋

たすけあいセンター「Juntos」
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