新寄付税制とNPO法改正の概略
平成23年6月に、寄付税制とNPO法が大きく変わりました。『税額控除』の導入や認定NPO法人の認定要件の大幅な緩和、NPO法人会計基準にある『活動計算書』の導入などが盛り込まれ、NPOがわかりやすい財務諸表をもとに寄付を集めやすくなる環境が整いました。NPO法設立以来の画期的な制度変更なので、ぜひ以下の概要をお読みになり、内容をご理解ください。
NPO法改正
- 成 立
- 平成23年 6月 15日
- 施 行
- 平成24年 4月 1日
1. 活動分野の追加
観光の振興を図る活動
農山漁村及び中山間地域の振興を図る活動
NPO法第2条別表の各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県または政令指定都市の条例で定める活動
2. 所轄庁の変更
2つ以上の都道府県に事務所がある場合には、従来は内閣府が所轄庁だったが、主たる住所がある都道府県(又は政令指定都市)が所轄庁に。
3. NPO法人認証制度の柔軟化・簡素化など
- 認証審査期間は、縦覧が終了した日から2カ月以内で都道府県(又は政令指定都市)の条例で定める期間に。
- 社員総会決議の省略(社員全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をした際)
- 理事の代表権の制限に関する登記(理事の代表権に加えた制限は、善意の第3者に対抗することができないとの規定を削除。あわせて、定款により理事の代表権を制限した場合、その旨を登記できるようにする)
- 定款変更の際の届出事項の拡大(役員定数、会計に関する事項、事業年度、解散事項)
- 解散公告の簡素化(3回以上から少なくとも1回に)
「収支計算書」を「活動計算書」に改める(当分の間は収支計算書を提出することができる)
5. NPO法人の信頼性向上のための措置
- 認証後未登記団体の認証取消
(認証日から6カ月間設立登記がない団体は、所轄庁が認証取消をすることができる)
- 情報開示の充実
(従たる事務所でも、原則として事業報告書などの閲覧をさせなければならない 等)
従来の租税特別措置法内の認定NPO法人制度を、そのままNPO法へ
7. 認定NPO法人の認定機関の移管
国税局調査の後、国税庁が認定する仕組みから、都道府県(又は政令指定都市)による認定へ
8. 3年間の仮認定制度の導入
※PST以外の7つの要件を満たしていることが条件
- パブリックサポートテスト(PST)をクリアしていなくても認定を与える
- 活動の対象が会員などをメインとした共益的な活動ではないこと
- 運営組織及び経理について適正であること
- 事業活動について、一定の要件を満たしていること
- 情報公開が適正にされていること
- 所轄庁へ事業報告書などが提出されていること
- 法令違反、不正の行為などがないこと
- 設立後1年を超える期間を経過していること
新寄付税制
- 成 立
- 平成23年 6月 22日
- 施 行
- 平成23年 7月 1日
1. 所得税の税額控除制度の導入
認定NPO法人への寄付者の所得税に関して、「所得」控除 ⇒ 最大50%の「税額」控除へ
(例)年間10万円コモンズに寄付をすると、最大5万円所得税が確定申告の際に還付される。
⇒税金の使い道を市民が選択できる!
2. 認定NPO法人の認定要件の緩和
各事業年度中に「3,000円以上寄付する人が100人以上」であればパブリックサポートテスト(PST)をクリアできることに!
3. 地域において活動するNPO法人などの支援(個人住民税)
都道府県・市区町村がその地域内に事務所を有するNPO法人のうち、条例において個人住民税の寄付金税額控除の対象として個別に指定したものは、PSTの要件が満たされる。
- 公益社団、財団法人、認定NPO法人への寄付を目的とした信託
- 信託財産を、信託契約期間の間、均等に認定NPO法人などに寄付をする
- 信託財産の運用益も認定NPO法人などに寄付をする
- ただし、元本の30%を限度に本人に還元できる(これも契約期間で均等に還元)
- 契約期間の途中で死亡した場合には、残りは全て認定NPO法人などに寄付をする
参考資料
印刷用概略(177KB/PDF)
この概略は脇坂税理士のこの資料を参考にしています。