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時論:「新しい公共」への課題 〜高めよNPOの価値〜

※ 以下の記事は平成23年11月27日(日)に、茨城新聞客員論説委員として横田が寄稿したものです。


認定 NPO 法人 茨城 NPO センター・コモンズ
常務理事・事務局長 横田 能洋
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 今年6月、NPO法の大幅な改正が実現した。税制の優遇の対象になる認定NPOのハードルが下がったこと、認定の窓口が来年度、国税庁から都道府県に移ることが大きなポイントだ。画期的な寄付税制も導入され、認定NPOへの寄付は税額控除により約半分が還付される。

 このように政府は、NPOを新たな公共の担い手として後押しする政策を本格化させた。その一環である内閣府の「新しい公共支援事業」はNPOが寄付の受け皿となれるよう基盤強化すること、またNPO、行政や企業など多様な主体による協働のモデルを生み出すこと、この二つを促す目的で各県に交付金を出した。本県でも1億7千万円の交付金を財源に23年度から2年間支援事業を実施しているが、これらの新制度と支援事業をNPOの発展につなげるためには三つの課題がある。

 一つはNPO自らが寄付や会費という形で県民との結び付きをもっと強める必要がある。本県のおよそ600あるNPO法人のうち認定NPOはわずかに4法人。NPO全体の収入は40億円近いが寄付収入は2億円に満たない。最初から寄付は集まらないといあきらめている向きもあるが、世の中には社会貢献をしたいという人はたくさんいる。コモンズの災害支援活動「ホープ常磐プロジェクト」には 1500 万円を超える寄付が寄せられた。市民の共感が得られる活動をどうつくり、知らせ、成果を出していくかNPOの寄付への取り組みが重要だ。

 二つ目の課題は行政とNPOの対話の場づくり。茨城県の新しい公共支援事業運営委員会では、今までにない議論が続いている。その発端は、県が企画した支援事業の中に個人の海外視察研修など従来の事業と変わらないものがいくつか含まれ、それらがNPOの基盤強化にどうつながるかが不明確だったことによる。支援事業はNPO、企業、行政など各分野のメンバーからなる運営委員会が国のガイドラインに照らしながら本県で行う事業を決める。その会議で運営委員の多くは、事業とNPOとのかかわりや成果目標が見えなければ認められないと計画の修正を求めた。毎月夜遅くまで運営委員会で熱心な議論が行われたが、そこで分かったことは各課が関連する分野のNPOの現状や課題を把握できていないということだ。そのため、県とかかわりが深い団体を支援することが新しい公共の支援との主張になり、なかなか議論がかみ合わなかった。

 一方で議論を重ねる中で、既存の計画が変わったものもある。農業関係者の海外研修事業は海外の放射能汚染対策などをNPOと共に考える事業に修正された。国からのお金が補助金から交付金に移る中で使い道を地域で決められるようになったが、有効な事業を立案するには関係者が集い知恵を出すプロセスが重要だ。NPOが協議の場をつくり行政の参加を求めると、方針が決まっていないので出席できないといわれることがあるが、情報交換や協議をしながら方針をつくればいいと思う。新しい公共とは行政だけで考え、決めて責任を負うという発想を止めることだと思う。皆で考えて決める方が知恵も出るし、継続する仕組みをつくりやすい。

 三つ目の課題は県のNPO支援と協働推進の体制強化だ。特に来年4月の新NPO法施行までに認定NPOの申請を受ける体制づくりが急務である。NPOの状況を見える化し、行政とNPOの協議の場を増やし、寄付や協働事業が増えていけば、NPOの存在価値はもっと高まるに違いない。

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