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NPOに関する法制度
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これからNPO活動を始める方へ
2012/07/01 00:00

 アメリカのNPO制度をもとに市民団体関係者と超党派の国会議員がともに議論して、1998年(平成10年)に議員立法でNPO法(正式名称:特定非営利活動促進法)をつくりました。その柱は、次の3つから成り立っています。

  • 法人制度
  • 情報公開制度
  • 税制優遇制度(認定NPO法人対象)
NPO法の目的

 NPO法の条文では、以下のように規定されています。

「この法律は、特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること並びに運営組織及び事業活動が適正であって公益の増進に資する特定非営利活動法人の認定に係る制度を設けること等により、ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与すること目的とする。」

「特定非営利活動」とは

 NPO法では、市民による非営利で公益目的の活動に対して「特定非営利活動」という領域を設け、具体的には下記の活動分野を示しています(2012年4月からは新たに3分野追加)。以下のいずれかに該当し、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とする活動であれば特定非営利活動ということになります。

@ 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
A 社会教育の推進を図る活動
B まちづくりの推進を図る活動
C 観光の振興を図る活動(新設)
D 農山漁村及び中山間地域の振興を図る活動(新設)
E 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
F 環境の保全を図る活動
G 災害援助活動
H 地域安全活動
I 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
J 国際協力の活動
K 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動 
L 子どもの健全育成を図る活動
M 情報化社会の発展を図る活動
N 科学技術の振興を図る活動
O 経済活動の活性化を図る活動
P 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
Q 消費者の保護を図る活動
R これらの活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
S 都道府県・政令市の条例で定める活動(新設)

「不特定かつ多数の利益」とは

 特定非営利活動の要件にある「不特定かつ多数のものの利益」という部分はとても重要です。これを満たせば「公益性がある」という判断になるからです。一方で特定の個人や団体のための活動(私益活動)や、構成員のためだけに行う活動(共益活動)は、公益目的ではないため特定非営利活動としては認められません。NPO法は公益目的の組織を対象にしており、共益目的の場合は組合や一般社団法人など他の制度を利用することになります。

 「不特定」とは、当たり前ですが特定しないことです。「○○さんを救う会」では特定しているのでNPO法人にはなれませんが、「○○病をもつ子どもを救う会」とすれば可能です。現在は○○さんの支援が中心ですが、将来は別の子どもが支援対象となる可能性があるからです。「多数のものの利益」とは社会全体のためということです。活動対象に定員などの制限を設けることは、必要であれば問題ありません。ある期間のみ活動対象となる受益者が2、3名であっても良いのですが、常に限定してはいけません。役員の子どもだけを施設利用者とすることは、公益組織としてはできませんので注意が必要です。また、誰でも活動に参加できる、という点も公益性の目安とされています。

NPO法人設立の要件

 次の10の要件を満たす必要があります。

目的に関する要件
@ 営利を目的としないこと
A 特定非営利活動を行なうことを主たる目的とすること

活動に関する要件
B 宗教活動を主たる目的としないこと
C 政治上の主義の推進、支持又は反対を主たる目的としないこと
D 特定の公職者(候補者を含む)や政党を推薦、支持、反対することを目的としないこと

組織に関する要件
E 10名以上の社員を有するものであること
F 社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと
G 役員として理事3人以上、監事1人以上をおくこと
H 役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の三分の一以下であること
I 暴力団でないこと、暴力団若しくは暴力団員の統制下にある団体でないこと

「社員の資格の得喪に不当な条件をつけない」とは

 趣旨に賛同して活動したいという人の入会は、拒めないということです。その組織の活動の性質からして欠かせない合理的理由があれば、一定の資格を持つ者に限定することは可能です。「不当な条件」とは社会通念として判断するとなっていますが、「○○大学卒業」や高額な会費は不当な条件になりえます。「○○地区住民の会」や障がい児の親の会などは、別の立場の人も入会できるよう注意します。ポイントは、誰かを排除するような規定にはしないということです。実際には正会員を一定範囲に抑える場合もありますが、それは運用で行います。

「役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の三分の一以下」という規定は

 役員が4名いたら、1名のみ役員報酬を受けられるということです。10人なら3人までとなります。NPO法人は、役員は原則無報酬です。役員が職員(有給スタッフ)を兼務する場合、役員報酬ではなく職員としての給与を払います。報酬はなんらかの貢献に対する見返り(謝金)のこと、また給与は労働への対価です。職員の給与に関して制限はありません。

 また役員をしている人に、理事会の交通費を払うことや、会員または職員として活動したこと(例えばホームヘルプなど)に謝金や給与を払うことは「役員報酬」とは別のことです。役員報酬とは組織の役員としての働きに対する報酬(時間では計算できないような責任手当のようなもの)のことです。

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